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東京地方裁判所 昭和49年(特わ)739号 判決 1975年1月14日

被告人

1 本店所在地

東京都大田区西六郷三丁目一七番二号

商号

青木土木株式会社

代表者

代表取締役 青木一男

2 本籍

埼玉県桶川市南一丁目六四九番地

住居

東京都大田区西六郷三丁目一七番二五号

職業

会社役員

氏名

青木一男

年令

四五才(昭和四年二月一四日生)

出席検察官

寺西輝泰

出席弁護人

浅見敏夫

主文

1  被告人青木土木株式会社を罰金八〇〇万円に、被告人青木一男を懲役六月に

それぞれ処する。

2  被告人青木一男に対し本裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人青木土木株式会社(以下被告会社という)は東京都大田区西六郷三丁目一七番二号に本店を置き、土木建築請負等を営業目的とする資本金一、五〇〇万円の株式会社であり、被告人は被告会社の代表取締役として同会社の業務全般を統轄していたものであるが、被告人は被告会社の業務に関し法人税を免れようと企て、架空の外注工賃を計上しこれを支払ったようにして簿外預金を設定する等の方法により所得を秘匿したうえ、

第一、昭和四五年四月一日から同四六年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得が別紙第一記載のとおり六、二〇八万一、六六八円あったのにかかわらず、昭和四六年五月二九日東京都大田区蒲田本町二丁目一番二二号所在の所轄蒲田税務署において同税務署長に対し、所得金額が一、二七七万四、九一四円であり、これに対する法人税額が四〇二万二、三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により被告会社の右事業年度の正規の法人税額二、二一一万〇、七〇〇円と右申告税額との差額一、八〇八万八、四〇〇円を免れ、

第二、昭和四六年四月一日から同四七年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得が別紙第二記載のとおり四、八六二万〇、二三九円あったのにかかわらず、昭和四七年五月三〇日前記蒲田税務署において同税務署長に対し、所得金額が九八五万二、四八二円であり、これに対する法人税額が三〇六万三、一〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により同会社の右事業年度の正規の法人税額一、七二八万二、七〇〇円と右申告税額との差額一、四二一万九、六〇〇円を免れ

たもの(税額の算定は別紙第三記載のとおり)である。

(証拠の標目)

一、被告人青木一男の当公判廷における供述と同被告人の検察官に対する供述調書

一、同被告人に対する大蔵事務官の質問てん末書一一通

一、登記官吏藤原嘉民認証の登記簿謄本

一、飯島巌の検察官に対する供述調書

一、斉藤松雄に対する大蔵事務官の質問てん末書

一、被告人青木一男の昭和四八年五月一日付(二通)、同月一九日付、同月二四日付、同月一六日付(三通)、同年六月六日付、同年五月一〇日付、同月二六日付各上申書

一、柏村義之の昭和四八年一月三〇日付上申書

一、大蔵事務官作成の次の調査書

簿外預金残高等調査書、個人収支計算書、貸付金等調査書、減価償却額計算書、貸付金調査書、交際費限度超過額計算書、未納事業税額計算書

一、蒲田税務署長発行の証明書二通

一、寺西輝泰作成の捜査報告書

一、押収してある次の各証拠物(押収番号はいずれも昭和四九年押第一、三六九号でかっこ内はその符号)

法人税確定申告書三袋(1、2、3)、昭和四四年分所得税確定申告書一袋(4)、昭和四四年分所得税修正申告書一袋(五)、昭和四五年分所得税確定申告書一袋(6)、昭和四五年分所得税修正申告書一袋(7)、昭和四五年分所得税確定申告書一袋(8)、昭和四五年分所得税修正申告書一袋(9)、支払一覧表綴一綴(10)、請求書等綴五七綴(11)、請求書綴三綴(12)、元帳七冊(13、14、15、16)、請求書綴六綴(17)

(法令の適用)

1  該当法条と刑種

被告会社につき法人税法一五九条、一六四条

被告人青木につき法人税法一五九条(懲役刑を選択)

2  併合加重

被告会社につき刑法四五条前段、四八条二項

被告人青木につき刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の重い判示第一の罪の刑に法定の加重)

3  執行猶予

被告人青木につき刑法二五条一項

よって主文のとおり判決する。

(裁判官 池田真一)

別表第一 修正貸借対照表

青木土木株式会社

昭和46年3月31日

<省略>

<省略>

別紙第二 修正貸借対照表

青木土木株式会社

昭和47年3月31日

<省略>

<省略>

別紙第三 税額計算書

<省略>

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